ー本記事は2019年3月14日に公開済みですー
節分に雛祭り、卒園卒業・入園入学、端午の節句…etc、新年が明けてからは何かとイベントが続きますね。
おめでたい行事やイベントの際に、日本人なら「お寿司」が思い浮かびますよね。
節分には「恵方巻き」
雛祭りには「ちらし寿司」
お祝い事には「お寿司パーティー」
端午の節句には「いなり寿司」←これはこじつけです…。最近は鯉のぼりに見立てたいなり寿司などが流行の様子!?
と、家庭によって様々だとは思いますが、年間を通して何回かは酢飯を作る機会があるのではないでしょうか、スー(@bacteria_suzu)です。
本日もお越しいただきありがとうございます。
我が家もすでに2回酢飯を作りました、いや炊きました。
酢飯ってちょっと手間ですよね。なんとなく重い腰を上げないと作れないものではないでしょうか。
私は酢飯があんまり好きではなかったのですが、この方法を知ってからは特別な日でなくても自分から酢飯を作りたくなるくらい好きになりました。
なぜお寿司には酢飯?
私たちは当たり前のように受け入れていますが、なぜ酢飯なのでしょうか?
お寿司は酢飯が当たり前?
発酵食品である【なれずし】が起源
昔々、安定して年中食べられるわけではない貴重な動物性タンパク源である魚や貝や肉などを、長期間保存するために漬物にしていました。
その漬け床がご飯でした。
炊いた米と塩で魚などをつけていたものを【なれずし】と呼んでしました。
このなれずしは、重石をして数日から数ヶ月、数年間も保存可能だったといいます。
もちろんここは菌活・発酵がポイントですよね。
乳酸発酵したなれずしは、
- 乳酸菌の働きで雑菌の繁殖を抑制
- 乳酸発酵により酸っぱくなる
- タンパク質を分解しアミノ酸が生成されるのでうまみが増す
このような特徴がありました。
生の魚を直接食べるという習慣が、その頃からあったとか無かったとか諸説言われていますが、今のように冷蔵技術のない時代には豊富に獲れた魚などを、冬のタンパク源として蓄えておきたいと考えるのは自然な生活の知恵ですね。
江戸っ子のせっかち体質が生んだ「酢飯」
江戸っ子、と限定してしまうのもどうかと思いますが、酢飯を最初に寿司に取り入れたのは「江戸前寿司」と言われていますね。
なれずしが全国各地で様々な素材、形態、発酵環境、漬け期間などにより、バラエティーに富んだ発展をしていく一方で、漬ける期間をもっと短縮できないかと模索する潮流もありました。
- 酒
- 酒粕
- 糀
など、発酵させるためのものがいろいろ試された結果、最終的に「酢」という発酵調味料にいきついたのです。
これはすでに発酵完了している調味料であり、発酵を待つ必要がないという結論ですね。
それまではご飯に魚を漬け込んで何ヶ月も寝かせていた寿司が、炊き上がったご飯に直接酢をかけることで寿司になる、当時としては画期的だったことでしょう。
加えて、江戸前で豊富に獲れる新鮮な魚介類があったため、江戸っ子は刺身をよく食べていたという文化もありました。
酢飯を使ってすぐに食べられる握り寿司のようなスタイルが一気にブームとなったのもわかりますね。
「酢」の効果で防腐効果
元々は酒の副産物である「赤酢」のみを用いて、砂糖などを加えてはいなかったそうです。
しかし、色のついた酢飯が好ましくないと敬遠されるようになり、それからは今現在主流の白酢に、風味やコクを増すための砂糖や塩の添加が一般的となりました。
酢の効果として、
- 保存性に優れている
- 砂糖との相乗効果で冷めたご飯が硬くなるのを防ぐ
- 独特の風味が出る
- 具材との相性も良い
- 食欲をそそる
など、今でも老若男女に人気がある寿司ですが、「酢飯」があってこその人気者だったといえますね。
【酢飯】を炊いちゃいましょう!
起源を辿ってみて発酵食品のなれずしが、発酵を短時間化して酢飯のお寿司になったことはわかりました。もともとのなれずしの酸っぱい味とも近かったのでしょう。
そして、その酸っぱいご飯と魚介の旨味が合うということも私たち自身、十分承知していますよね。
しかし、酢飯は作るとなると家庭ではちょっと手間がかかります…。
最近ではおひつや寿司桶、木しゃもじ自体が家にないという家庭もあるのではないでしょうか。
市販のお寿司もいいですが、できれば家で簡単に作れると嬉しいですよね。
大丈夫! 寿司桶や木しゃもじがなくても作れますよ!
合わせ酢を入れてご飯を炊く
そうです。ご飯を炊いてから合わせ酢をまぶすのではなく、ご飯を炊くときに一緒に入れちゃいます。
『炊き込み酢飯』です。
これで、いつでも誰でも簡単に酢飯が炊けるんです。
加熱するとお酢の成分がとんでしまう!?
なぜ、酢飯は桶で作るのでしょうか?
第一に、ご飯を早く冷ますためですよね。あとは、加える合わせ酢の余計な水分を木に吸わせるため。
この2つが大きな理由だと思います。
炊き上がった熱々のご飯を一旦おひつや桶に広げ、蒸気を逃がしてから酢を加えることで米粒のひとつひとつにきちんと酢の成分が入っていくといわれています。
それでは、最初から合わせ酢を入れて一緒に炊いたら、もっとご飯に浸透するのでは?
しかし、ここでひとつの疑問が生まれます。
ということです。
本当にそうでしょうか?
多少は揮発するでしょうけれど、お酢っぽさがなくなるほどではないだろうし、現代ではそこまでの保存性を求めなくても大丈夫では?
また、すべての水分が入り込んで炊き上がるので無駄がありません。
あとで酢をかけるとツーンと鼻にきますよね、それが苦手という人には『炊き込み酢飯』、いいと思いますけどね。
具材も一緒に炊ける!
海鮮ちらしにする場合は合わせ酢だけを加えますが、具材を混ぜ込むちらし寿司にする場合、ひとつひとつの具材を別々に煮て用意し、炊き上がった酢飯に加える?
いえいえそんなことしません!
炊き込みましょ!
全部一緒に入れちゃいましょ。
もちろん、こだわりのある具材などは後入れでいいですね。
- にんじん
- レンコン
- ごぼう
- しいたけ
- 油揚げ
- ひじき
- たけのこ
- かんぴょう
- 魚介
などなど、水から煮ることで野菜の甘みもちゃんと出ますし、昆布などの海藻や魚介などを一緒に入れれば旨味もアップします。
トッピングに紅ショウガやいくら、ツナ、錦糸卵などを加えると一気に華やかさも増しますね。
最初は抵抗があるかもしれませんが、ぜひ一度試してみて下さい!
本当に美味しいですよ。
【砂糖不使用合わせ酢】のレシピ
お酢の割合や甘み、塩加減などは好みが別れるところでしょう。
ただ、炊き込み酢飯の場合は、多少お酢を多めにして、塩だけでなく醤油などでアクセントをつけるのもいいと思います。
また、我が家では、砂糖を使いません。
そんな【砂糖不使用合わせ酢】のレシピをご紹介しますね。参考にしてみて下さい♪
米4合に
- 酢・・120〜150cc
- みりん・・・大さじ4〜5
- 塩・・・小さじ1杯半
プラス出汁に
- 昆布
- いりこ
- 柚子の皮など
- 椎茸の戻し汁
プラスアクセントに
米だけでなく雑穀も入れると栄養もアップし、食感のアクセントにもなります。
- あわ
- きび
- もちあわ
- もちきび
- もち麦
- ひえ
など、お好みで半合くらいまで加えます。もちろんなくてもOKです。
水加減は?
① 雑穀を加えない場合(純粋に米4合)
上記の調味料と戻し汁などを合わせたものと、水で、合計4合分の量(720ml)になるようにします。
② 雑穀を半合以下加えた場合
上記の調味料と戻し汁などを合わせたものと、水で、合計4カップ分の量(800ml)になるようにします。
一度この分量で試してみて、それぞれの炊飯器やお鍋の特徴に合わせて調整されてみて下さい。
炊き上がったら大きめのボールなどで蒸気を逃して冷ましましょう。
ちなみに我が家はステンレス多重層無水鍋で炊いています。
まとめ
一応この炊き方で失敗なく美味しく炊き上がっています。
野菜の水分量や乾物の吸水加減などもありますが、そこまで大きな影響を及ぼすことはないと思います。
今まで自宅で酢飯を作ることを諦めていた方にぜひ試して頂きたいですね。
炊き込みご飯を炊くように、美味しい酢飯が炊けますよ。
もちろん海鮮の具材を後からのせる場合も、野菜入りの酢飯を用意してもいいですね!
酸っぱいのが苦手な方もこれだと酸味が優しく、甘すぎないのでヘルシーですよ。
お酢には炭水化物の吸収をゆるやかにしてくれる効果もあるみたいなので、砂糖入りはNGな方もこれならみんなで一緒に食べられるのではないでしょうか。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。