出会いというものがもたらしてくれることは、本当はもともと自分の中にあったけど忘れてしまっていることや、その本質をなんとか知りたいという欲求が高まった時に、偶然を装って目の前に差し出してくれるヒントでもあるなーと思います。
スー(@bacteria_suzu)です。
本日もお越しいただきありがとうございます。
「ボーンブロスと、骨付き肉の長時間煮込みはどう違うのだろう?」
ふと疑問に思ったきっかけがありまして、
ボーンブロスを体調の改善、もっと言えば病気の治療に利用するという話をこの1ヶ月の間に何人かから耳にしたのです。
その時、そういえば過去にそんな記事を書いたよな・・・、とは思ったのですが、ボーンブロスという響きではピンと来ず、久しぶりに自ブログを漁り調べたらちゃんとありましたよ、骨だしスープという渋い呼び名で…。
なるほど!ボーンブロス=骨だしスープか!
なかなか、主観的な点も含めてしっかり完結しているのではないでしょうか。
しかし!
現在の私には、この2つの記事を読んでもスッキリしないものがあったのです。
「最近よく作っている骨付きチキンのスープは、いわゆるボーンブロスと名乗れるのか?名乗れないのか?」
というものです。
ボーンブロスを病気の治療にとまで言わしめるからには、ただコトコトと煮込んだチキンスープでは同じステージには立てないと思うのです。
ボーンブロスと鶏がらスープは何が違うのか?
今回はそこにピンスポットを当てて比較しながらまとめることにします。
チキンスープをボーンブロスにまで引き上げたい方、必見です!
ボーンブロスとは?基本の特徴と作り方
まずはボーンブロスについてです。
ボーンブロス=Bone(骨) Broth(出汁)過去の私ちゃんと直訳してたやん。
牛・鶏・豚などの骨や関節部分を長時間(6〜24時間)かけて煮込んで作るスープです。
目的は旨味だけではなく、骨髄や軟骨から栄養成分をしっかり抽出すること。
欧米では昔から「飲む栄養サプリ」や「病気の回復食」として飲まれてきました。
世界最古の「コンフォートフード(心を和ませる食べ物)」とも呼ばれ、薬膳や伝統的な健康食としての側面も持っています。
材料には有機飼育やグラスフェッド(牧草飼育)の骨を使うことも多く、質にこだわるほど栄養価も期待できます。
鶏がらスープとは?日本の家庭の定番出汁
一方の鶏がらスープについてはどうでしょう。
鶏の骨(がら)と少量の肉を1〜3時間ほど煮込んで旨味を出す、日本でもおなじみの出汁ですね。
そしてこう聞くと、これはボーンブロスでは?と思いますよね。
そうなんです、これもボーンのブロスであることは間違いありません。しかし、あの治療にも利用されるレベルかというとそうでないことの方が多いので、ボーンブロスと言ってしまうと、ちょっと「う〜ん」となるんでしょうね。
鶏がらスープの主な目的は料理の味を引き立てることです。
コラーゲンやタンパク質も含まれますが、長時間煮込むわけではないため、栄養の濃度はボーンブロスほどではありません。
私の体験談:最近作っていたあのスープはどっち?
そもそもボーンブロスを作るぞ、という意図などもなく、ただ骨付きの肉をコトコト煮込んで栄養や旨みを引き出そう程度でした。
結論としては、「美味しいチキンスープ」枠止まりでしょうね。
ボーンブロスの効能についてを聞いたことで、よもや自分はその効能高いスープを日常的に取り入れているかも!?と淡い期待を抱いてしまったのが正直なところ。
私が煮ていたのはせいぜい2時間・・・これでは6時間も10時間も煮込んだ骨の髄液出まくりのボーンブロスとは似て非なるものですよね…。
【ボーンブロスと鶏がらスープ】材料や作り方の違い
ボーンブロスも鶏がらスープも、骨を使って作るスープであるという共通点はあります。
ボーンブロスは鶏以外にも、牛・豚・魚などなんの骨でも作ることが可能です。
そして、そんな2者の間には明確な時間の壁があることが見えてきましたね。
この壁こそが徹底的な違いだといえるでしょう。
ではその点も含めて、よりボーンブロスと鶏がらスープの違いをイメージできるように、作り方も見ていきましょう。
目的と材料の違い
ボーンブロス | 鶏がらスープ | |
目的 | 骨から栄養を最大限に引き出すこと | 鶏の旨みやコクを引き出すこと |
主な材料 | 骨(関節・軟骨・骨髄含む)+水+酢+野菜 | 鶏の骨(がら)+少量のお肉+水+野菜 |
作り方や煮込み時間の違い
ボーンブロス | 鶏がらスープ | |
煮込み時間 | 6〜24時間 | 1〜3時間 |
調理方法 | 酢を加えることで栄養を抽出しやすくする | 加える調味料は塩くらい |
用途 | 健康・美容目的でそのまま飲む | ラーメンやスープなど料理のベースとして |
食感 | 冷やすとぷるんぷるんとゼリー状に固まる | ほぼ固まらす液体のまま |
仕上がりの風味に関して、ボーンブロスは骨由来の濃厚な香りととろみが特徴ですので、苦手な方は香味野菜や追い調味料での工夫が必要かもしれません。
【ボーンブロスと鶏がらスープ】栄養成分と健康効果の違い
煮込み時間が倍以上、それこそ丸一日火にかけたものとなると、抽出される栄養成分に差が出るのは明らかですね。
しかし、先ほど確認したように用途目的が違うので、どっちが正解でどっちの方が美味しいということでもないのです。
ボーンブロスの栄養成分と鶏がらスープの脂の旨み、2つをドッキングさせてさらに上をいくスープを作ることだってできるのですから。
そのためには、それぞれの液体が持つポテンシャルを十分に知っておくことが、その時の自分が求めている要素を迷わず選択できることに繋がりますね。
では栄養成分と健康効果の違いを見ていきましょう。
栄養成分の違い
ボーンブロス | 鶏がらスープ | |
アミノ酸 | 多く含まれる(吸収しやすい形) | 多いが煮込み方で変動 |
コラーゲン | 多く含まれる(ゼリー状になることも) | 量は控えめ |
ミネラル | 骨から溶け出すため豊富(カルシウム、マグネシウム、リン等) | 煮込み時間が短いと少なめ |
グルコサミン コンドロイチン | 長時間煮込むことで抽出されやすい | 一般的な調理法では少なめ |
脂肪分 | 骨のみ煮込むなら少ない | 肉や皮も使うと多めになる |
タンパク質 | 豊富(アミノ酸として吸収しやすい) | 豊富 |
ビタミン | 骨・野菜由来で多様 | 骨・野菜由来 |
ボーンブロスの健康効果
ボーンブロスは、長時間の煮込みによってしっかりと成分が抽出されます。
用途目的自体が、旨味を出して美味しくすることよりも、骨髄や軟骨から栄養成分をしっかり抽出することなので当然ですね。
栄養成分 | 健康効果 |
アミノ酸 | 肝機能サポート 睡眠改善 |
コラーゲン ゼラチン | 関節や肌の修復 |
ミネラル | 骨や歯の健康 |
グルコサミン コンドロイチン | 関節保護 |
ビタミン | 免疫力向上 |
鶏がらスープの健康効果
鶏がらスープも1時間以上煮込むことで旨味がしっかり出るので、アミノ酸やミネラルは溶け出していますが、ボーンブロスに比べると少なめです。
それよりも、旨みやコク、脂肪分をうまい具合に引き出してくれるので、その点を重視した料理のベースとして大活躍間違いなしです!
美味しい、美味しい!と言いながら食事をすることこそ最大の栄養素になる、これも真理に近いですもんね。
自宅でできる簡単ボーンブロスの作り方
以前の記事でもレシピをアップしていましたが、今回の考察を踏まえた上での改訂版レシピをここにあげておきますね。
ボーンブロスというスープは、その栄養素のダダ漏れっぷりにより、病気の回復食としてたくさんの人々を救ってきているという事実があります。
がしかし、私が常に大切にしている
「ごく普通の家庭のキッチンで、手に入りやすいものを使って、継続に負担なく作れるもの」
ここは大丈夫でしょうか?
はい、ここが大丈夫なんです!
難しいことが一切なく、ただただ材料を長時間煮込むだけ・・・ただただ6時間以上・・・何なら半日以上・・・。
ここよね、ここが難しいのよってね、できれば言わないでいただきたいです。
ボーンブロスの材料
- 骨(動物、魚、何でも食べたいもの)・・1キロ
- お酢・・大さじ2
- 水・・材料がヒタヒタよりややかぶるくらいたっぷり
- 香味野菜・・人参、玉ねぎ、にんにく、生姜、セロリなどお好みで
- お好みでハーブやスパイス
ボーンブロスの手順
- 骨を流水で洗ってキッチンペーパーで拭き取っておく
- 気になる場合は骨だけ一度茹でこぼしておく(しなくても良い)
- 材料を全部鍋に入れる
- 弱火で火にかけ沸騰したらアクを取る
- 6〜24時間煮て火を止める
- 濾して完成
味付けが必要なら、塩などで調整して下さい。
とにかく弱火でじっくりコトコトが要ですので、気長〜に、そういえばなんか煮てたな、くらいのどっしり感で作ってもらえたらと思います。
普段の食事からはなかなか十分に摂れない栄養素がしっかりとしみわたる格別なスープ、その領域を目指して6時間の壁をぴょ〜んと越えていきましょう!
まとめ:ボーンブロスと鶏がらスープは目的と時間的余裕によって選ぼう
手間ひまとはよく言ったもので、暇があってちゃんと手間をかけられる状況がどれほど豊かであるかを思い知ることができるスープでしたね。
チキンや豚をコトコト2時間ほど煮て、いやーボーンブロス飲んでるんですよ〜、なんて言わなくてよかったぁ。
これだけの目的と成分に違いがあるとは、調べてみないと分からないことってたくさんですね。
何だか胃腸の調子が…とか、何だか食欲がわかなくて…、なんていう時にこそ、この細胞の隅々にまで染み渡りそうなボーンブロススープを試してみて下さい。
そのためには、暇な時間をSNSやYouTubeで浪費するのではなく、骨を買ってきてボーンブロス一択ですよ!私に届けこの思い。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。