【チアシード】って、なんだか懐かしいようなほんわかこそばゆいような、ちょっと古びた健康情報というイメージ、ありませんか?
私はありました。スー(@bacteria_suzu)です。
本日もお越しいただきありがとうございます。
ところが、今そのチアシードが我が家の朝の定番になりつつあるんです。
大袋、買いました…。
スーパーフードと騒がれていた2000年に入った当初は全く興味が沸かなかったですが、この夏に再度読み耽った本の影響で、突如スーパーフードとして華麗なる復活を遂げたのです。私の半径2m圏内で。
ということで、本を読んですぐに取り入れた、というか取り入れない選択肢がない状況に陥ったので、今回はそんなチアシードについてまとめますね。
特に、現代人には不足しがちなオメガ3などの貴重な栄養素の含有や、本に出てくるチアシード入りのドリンクについては必見です!
さて、明日からのあなたの朝食に、チアシードが登場するのかしないのか!?ワクワクしますねー。
チアシードとは?その起源と流行の発端
聞いたことがない、という人もいるかもしれませんが、2000年代に入ってすぐその存在は「スーパーフード」として揺るぎない地位を獲得したともいえるでしょう。
30代〜60代の方はよく耳にされたと思いますが、現代の若者には馴染みがないかもしれませんね。
チアシードの起源はとても古く、紀元前3500年にまで遡ります。
古代メキシコ〜グアテマラのアステカ文明やマヤ文明において、人々の主食・パワーフードとして広く栽培されていた、シソ科の一年草のタネです。
古代マヤ・アステカ文明におけるチアシード
マヤ語でチアは「ちから」を意味し、主に戦士や狩人が持久力を維持するために日常的に摂取していました。
「チアシードを一握り食べれば一日中走り続けられる」
と信じられており、マヤの戦士たちにとって欠かせないパワーフードでした。
アステカでは「アステカの黄金」と呼ばれ、食料だけでなく税金や宗教儀式での神への供物としての役割も担っており、非常に重要視されていたのがわかります。
また、医療面では薬として使われ、消化促進や傷の治療に活用されたとされます。
スペイン侵略後の衰退からスーパーフードへの見事な復活
そんな貴重なチアシードですが、16世紀のスペイン人侵略でアステカ帝国が滅ぼされたことをきっかけに、大きく衰退してしまうのです。
スペイン人はキリスト教布教のためにアステカの宗教儀式を禁止します。その一環としてチアシードの栽培も禁止させられました。
さらに、小麦やヨーロッパ産の穀物を主食とする農業を推進するため、チアシード畑はどんどんと縮小、ついにはほとんど姿を消すほどになってしまいました。
残ったのは、一部の山間部に暮らす先住民族の畑のみとなり、世界的にはほぼ忘れられた存在となります。
その後1980年代になると、健康志向の高まりとともに再度チアシードに新たなスポットライトが当たるのです。
栄養学者や研究者がチアシードの成分を分析し、その高い栄養が認められると「スーパーフード」と呼ばれるようになりました。
そこに海外セレブやアスリートたちによるSNSでの発信や、モデルやタレントによる美容・ダイエット効果の言及が重なり、人気が安定していきます。
書籍『Born to Run』(邦題:『走るために生まれた』)の影響による流行
チアシードに先述のような復活のスポットライトが当たる前、アメリカでは、ほとんど喜ばれないお祭りの景品みたいな存在、だったそうです。
そんなチアシードを、スーパーフードとして揺るぎない存在に仕立てた裏の仕掛け人は、『Born to Run』(邦題:『走るために生まれた』)の著者であるクリストファー・マクドゥーガルです。きっとそうです。
本文中に、チアシードを使って作られる「イスキアテ」というとても興味深いドリンクが登場するのです。
まさに自家製の〈レッドブル〉!
——中略——
無人島にひとつだけ食料を持っていくとしたら、チアより優れたものはそうそうない。少なくとも、筋肉をつけ、コレステロール値を下げ、心臓病のリスクを減らしたい人にとってはそうだ。チアを食べ続ければ、数ヶ月後には泳いで家に帰れるだろう。
引用:『Born to Run』(邦題:『走るために生まれた』)
このあたりで、私の中の古めかしい記憶がよみがえり、あのチアシード・・これは試すしかない!となったのです。
スペイン侵略の際に、戦う選択をせず「逃げる」というシンプルな思想を貫いた民族、それがメキシコの険し過ぎる峡谷で今もチアシードを育て続けているタラウマラ族、「走る民」と呼ばれたララムリです。
何十キロというトレイルを、時に笑顔を見せながらほぼ同じペースで活力に満ち溢れて見えるその走りっぷりは、現代社会の常識ではちょっと考えられないですよね。
この本を読んだら、きっとあなたも走りたくなるしチアシードを取り入れたくなると思います。
そして、きっと、ワラーチやマンサンダルを履かずには居れなくなるかと(笑)
チアシードの栄養素


チアシードがスーパーフードと呼ばれる理由は、その栄養バランスにあります。
一説によると、チア=脂肪と認識されることもあるみたいです。
チアシードに含まれる脂肪成分のうち、70%を必須脂肪酸であるオメガ3が占めるので、健康に良い油分が豊富に含まれているという所以なのかもしれませんね。
その他の栄養素と一緒に見ていきましょう。
オメガ3脂肪酸(αーリノレン酸)
体内で作れない必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸。
安価で質の悪い植物油脂が出回っていることで、現代人はこのオメガ3脂肪酸が十分に摂取しづらくなっています。
脳や心臓の健康を守るための大切な成分です。
食物繊維
チアシードは水に浸すと10倍以上に膨らみます。
それを担う水溶性食物繊維であるグルコマンナンが豊富なので、腸内環境を整え、便通改善や満腹感持続に役立ちます。
ダイエット効果が謳われるのもこのおかげですね。
タンパク質
植物性で必須アミノ酸を含む良質なタンパク質も豊富です。
特に、体内で生成できない必須アミノ酸9種類のバランスがいいといわれています。
鉄分・カルシウム・マグネシウム
女性にも嬉しい貧血予防となる鉄分も含まれています。さらに鉄の吸収率を上げてくれるカルシウムも乳製品より多く含まれています。
カルシウム・マグネシウムの摂取比率は2:1が望ましいのですが、チアシードはまさにそれに近い比率で含まれているのです。
チアシードの効果効能
では、このスーパーフード「チアシード」を摂取することで、どんな変化や効果が得られるのでしょう。
そこが一番気になるところですよね。
特に注目されている点を挙げていきます。
腸内環境改善・便秘解消
チアシードを水に浸けるとジェル状になって10倍以上に膨れます。
これはグルコマンナンという水溶性食物繊維のおかげなのですが、このジェル状のものが腸をやさしく刺激して、腸内の老廃物をスムーズに排出してくれるでしょう。
中性脂肪やコレステロール値の抑制
オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)が豊富に含まれていることで、血中中性脂肪・コレステロール低下に効果があります。
現代病ともいえる動脈硬化や生活習慣病予防に大いに貢献できますね。
血圧や血糖値コントロール
オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)とカリウム、マグネシウムなどのミネラル群のおかげで、血圧低下や血糖値の急上昇抑制にも効果が期待されています。
ダイエットサポート
水だけで10倍に膨らむため、少量でも満腹感が得られて、過食の防止や体調管理に役立ちます。
ただし「食べれば痩せる魔法の粒」ではないので、適量を美味しくいただきましょう。
抗酸化・アンチエイジング
クロロゲン酸、セレンなどの抗酸化物質により、老化や生活習慣病の原因となる活性酸素を抑え、細胞の若々しさを保つ作用があります。
美肌へのサポート
腸内環境改善や抗酸化作用、たんぱく質・ビタミン・ミネラルの働きにより、肌荒れ予防や健康的な肌作りも期待できます。
総合的にバランスの良さが伺えますね。
チアシードの使い方・食べ方
実は私もそうだったのですが、チアシードって食べ方が・・・めんどくさ・・・い。
そのままパクパク食べられるものではないんですね。
いや、植物のタネだしそのまま食べても害はないかもしれないですが、せっかくの効能を享受できないですから…。
ここは頑張って水で戻しましょう!そうただそれだけです…。
しっかり水で戻してから摂取
なんかの卵みたい・・・いやいやそれは言っちゃダメなのよ…。
でもね、そんな感じになるまで15〜30分はしっかり水で戻しましょう。
ただの小さい粒々だったタネが、みるみると透明の衣をまとって、そうまるで、なんかの卵みたいに・・・。やめろ。
これ、毎回食べる分だけを戻すとなると、確かに続けるのしんどいかもと思いました。
そこで私はまとめ浸水をしています。
タッパーなどにあらかじめたくさんの浸水チアシードを作っておくのです。


冷蔵庫で2〜3日、大丈夫そうなら1週間くらいいけると思います。自己責任。
ちょっとゼリーみたいに固まってしまうという難点はありますが、時間をかけてしっかり戻せるのでより効果を得やすいのではないでしょうか。
1日大さじ1杯15gまで
チアシードは摂りすぎると逆に腸内が膨張してハリを感じる恐れがあります。
また、体質によってはお腹が緩くなったり下痢になったりという場合も。
一度に大量に摂取することは控えて、1日大さじ1杯15gまでという目安で続けていきましょう。
- オメガ3脂肪酸の1日あたりの推奨摂取量(成人女性)
- レタス1個分の食物繊維
少量でこれらを賄えるのは嬉しいですね!
非加熱で摂取がベスト!
チアシードは熱で変性しやすい栄養素が豊富なので、そのまま生でいただくのがベストです。
とろっとした半液状の物体ですが、味も香りもないほぼ無味無臭ですので、いろんなものに混ぜたりしやすいです。
- ドリンクに
- ドレッシングに
- ヨーグルトに
- スムージーに
見た目さえ気にならなければ、何にでもかけられそうですね。
私は、毎日飲む松ジュースに入れて、グリーンチアシードを楽しんでいます。


ちなみに、『Born to Run』に出てくるイスキアテは、
イスキアテはチア・フレスカ——“冷たいチア”——とも呼ばれている。作り方はチアの種を水に溶き、少量の砂糖とライムのしぼり汁を加えるというもの。
というごくシンプルなものでした。
これで超人パワーが爆発するなら、試してみたくなりますね。
ビタミン鉄分が豊富な松葉ジュースとの相性もぜひお試しくださいませ〜。
まとめ:チアシードは体内環境を簡単に底上げできる偉大なる小さな粒だった
「ほら、タピオカドリンクみたいやん?」
と言って子どもたちにもチアシード松ジュースを飲ませてみましたが、予想通りの反応でした(笑)
味も香りもほぼないけれど、どうしても見た目が苦手という方はいるかもしれません。
しかし、あのララムリたちが今日もあの峡谷で、このイスキアテを作って飲んでいるのか…と、メキシコの赤く乾いた大地に想いを馳せてみて下さい、きっと飲まずにはいられないと思います。
人生折り返してもずっと足腰を健康に保つ秘訣、それはこのチアシードと裸足ランと暮らしを真剣に生きることに集約されているのかもしれません。
あーすみません、メキシコ銅峡谷にお熱をあげ過ぎていて、同じこと何回も言っておりますが見逃してくだせぃ。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。