ー本記事は2019年8月17日に公開済みですー
眠りのリズムがうまくいかなくなったり、夜中にどうしても目が覚めてしまったりといった「睡眠障害」は、体内での疲労回復や細胞再生、脳・体・心の休息がままならなくなり、健康や精神を害してしまうこともあります。
日中の生活や仕事にまで影響を及ぼすほどの「睡眠障害」は立派な病気だと言えます。
いずれ治るだろうと甘く見て放置してしまわないで、症状が軽いうちにきちんとケアしたいですね、スー(@bacteria_suzu)です。
本日もお越しいただきありがとうございます。
睡眠障害の種類や原因、対処法などはこちら↓↓↓の記事を参考になさって下さい♪
それでは、生活の大きな変化や日頃の悪い習慣などが原因で自律神経が正常に働かなくなり、「睡眠」がうまくいかなくなった時、セルフケアとともに体内にある【ホルモンスイッチ】を入れ直してみるのはどうでしょうか?
では、睡眠に大きく関わる2大ホルモンについて見ていきましょう!
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快眠ホルモン【メラトニン】
「メラトニン」は脳の松果体という部分で生成される脳内ホルモンです。
夜になると分泌量が上昇し、深部体温を下げるなどの働きで質の良い睡眠をもたらしてくれることから【快眠ホルモン】と呼ばれています。
また、眠りを誘うだけでなく抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促進したり、疲れを取ってくれたりします。
病気の予防や老化防止に様々な効果を発揮すると考えられている、注目を集めているホルモンの一つでもあります。
このメラトニンをきちんと分泌させることが、不眠改善の第一歩ではないでしょうか。
朝の光で分泌ストップ
メラトニンの分泌は主に「光」によって調節されています。
この光が目に入ることで「ホルモンスイッチ」が起動するとも言えるほど、ホルモンの分泌と切ってもきれない関係なのです。
朝、しっかり光を浴びることで体内時計がリセットされて、脳からの指令が正常通りに行き渡ることになります。
光によってリセットされた体内時計からの信号でメラトニンの分泌が止まります。
そこから14〜16時間後に再び体内時計からの指令で徐々にメラトニンの分泌が高まっていきます。
夜に分泌が高まる
メラトニンは強い光によって分泌がストップするのでしたね。
寝る前に強い照明の中に長時間いたり、スマホやパソコンの画面に集中し過ぎたりすると、体内時計の働きが乱れてメラトニンの分泌が止まってしまいます。
夜は早めにテレビやスマホをやめて、なるべく自然な白熱球の灯りで過ごすようにしましょう。
そうすることでメラトニンがきちんと分泌され体の深部体温が低下し、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになります。
加齢と共に減少
メラトニンは、年齢を重ねると共に分泌量が減っていきます。
年を取ると朝異常に早く目覚めたり夜中に何度も目が覚めたりして、若い頃より睡眠時間が短くなるのも、加齢により体内時計の調節機能が弱まっているためと考えられます。
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幸せホルモン【セロトニン】
「セロトニン」は別名【幸せホルモン】と呼ばれている神経伝達物質です。
精神を安定させて日中の覚醒を促したり、体温調節などにも関与しています。
心のバランスを保ってくれるホルモンなので、体がリラックスしやすくなり良い睡眠へと導いてくれます。
【セロトニン】は【メラトニン】の材料
先ほど出てきた、快眠のためのホルモン「メラトニン」は、日中「セロトニン」が分泌されることによって夜の時間に作り出されます。
ですから当然セロトニンの分泌がうまくいかないとメラトニンも分泌されにくくなり、睡眠への自然な誘いができなくなってしまいます。
「セロトニン」と「メラトニン」がきちんと交互に分泌されている状態がベストですね。
朝の起床時間から「セロトニン」が分泌され、寝ている間は「メラトニン」が分泌されるということです。
朝の光で分泌開始
メラトニンのホルモンスイッチは、太陽の光によってOFFに切り替えられましたよね。
相反する反応をするセロトニンは、太陽の光によってONに切り替えられます。
明るい光が目に入ることで分泌が活発になるため、朝起きて朝日を浴びることでセロトニンの分泌が開始されます。
また太陽の光に含まれる紫外線にはビタミンDの生成を促す働きがあるのですが、このビタミンDにはセロトニンの生成を助ける働きがあります。
朝起きたらまずカーテンを開けて、太陽の光を全身で受け止めましょう。
リズムのある運動で分泌促進
一定のリズムを繰り返し継続する運動は、セロトニンを増やすためには効果的です。
ウォーキング、ジョギング、スクワット、踏み台昇降など、意識せずに一定のリズムを繰り返す軽い運動を日常に取り入れることは、健康効果も期待できるのでオススメです。
ただし、セロトニンが活性化し始めるのは運動を始めてから約5分後で、活性のピークは20〜30分後になるので、効果的にセロトニンを増やすためには少なくとも15分以上は運動を継続することが必要です。
30分以上の継続はそれ以上の効果を得られるわけではないので、この場合は必要ありません。
幸せを感じて【セロトニン】体質に!
人は、ハグやスキンシップで安心や癒しを感じます。
そしてこのような行為はセロトニンの分泌を増加させます。
親子や恋人同士でのスキンシップはセロトニンの分泌を促し、ストレスに強くなる効果もあると言われています。
また、楽しかった記憶を思い出すことでもセロトニンの分泌が増します。
それによって嫌なことを忘れさせてくれるので、さらにセロトニンの減少を抑えてくれます。
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【トリプトファン 】でスイッチオン!
「睡眠」に大きく関わるホルモンである「メラトニン」と「セロトニン」。
これらを相互にバランスよく稼働させるためのスイッチが太陽などの強い光でした。
メラトニンを合成するために必要なのがセロトニン、そしてそのセロトニンを作るために必要な材料が必須アミノ酸である「トリプトファン」です。
直接睡眠への働きかけをするこのホルモンたちを作り出す物質である「トリプトファン」、これをきちんとスイッチオンしてより良い睡眠を叶えたいですね。
【トリプトファン 】は【セロトニン】の材料
セロトニンは腸内や血液中、脳内に存在しています。
通常、血液と脳の物質のやり取りは「血液脳関門」という機構で行われますが、セロトニンはこの「血液脳関門」を通過することができません。
ですから、体内のセロトニンの90%が存在している腸内から血液によって脳内へ届けることはできません。
ここを「トリプトファン」はスルスルと通過することができます。
つまり、直接セロトニンを脳内に送ることはできないけれど、スルスルと通り抜けられる「トリプトファン」が脳内に達し、そこでセロトニンを作り出してくれるのです。
体内で生成できない【トリプトファン】
そんな「トリプトファン」は体内で合成できない”必須アミノ酸”です。
食事からの摂取が大切になってきますね。
WHOの必須アミノ酸推奨摂取量によると、成人が1日で摂取すべきトリプトファンの量は「体重1kgあたり4mg」だそうです。
60kgの人は240mg必要ということになりますね。
成長期の子供や赤ちゃんの推奨摂取量の方が多く設定されていて、3〜14歳では「1kgあたり4.8mg」となっています。
子供の食事にもしっかり気を配っていきたいところですね。
しかし神経質になる必要はありません。
トリプトファンは比較的和食によく使われる素材にしっかりと含まれているので、知らないうちにきちんと摂れている場合がほとんどです。
朝食に「トリプトファン」でスイッチオン!
トリプトファンが多く含まれている食材はこのようになっています。
パン:100g中95mg
うどん:140g中99mg
そば:120g中44mg
パスタ:100g中140mg
卵:1個中90mg
牛乳:100g中50mg
牛肉:100g中180mg
豚肉:100g中230mg
鶏肉:100g中350mg
生鰹:100g中300mg
マグロ赤身:100g中300mg
里芋:100g中36mg
長芋:100g中63mg
ほうれん草:100g中50mg
春菊:100g中41mg
大豆:20g中104mg
納豆:40g中96mg
豆腐:100g中98mg
ごま:小さじ1杯中15mg
落花生:100g中280mg
くるみ:50g中100mg
バナナ:1本中11mg
また、トリプトファンが脳内に達し、セロトニンからメラトニンが分泌されるまでにはある程度の時間が必要になります。
朝のうちに朝食でしっかり摂取しておくということが効果的です。
上の表を見ても分かる通り、朝食で取り入れやすい食材が多いのが嬉しいですね。
もちろんトリプトファンだけを過剰に摂取しても効果が上がるわけではありません。
ビタミン群、特にビタミンB6や炭水化物を一緒に摂ることで合成が促進されます。
気をつけたいのは、動物性タンパク質や果物などに含まれる果糖は、摂りすぎるとトリプトファンの吸収を阻害することもあるそうなので、ほどほどに。
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まとめ
聞きなれない成分や物質がたくさん出てきて、何が何だか訳が分からなくなりました?
そうですよね、普段はこんなことを意識しなくても自然のリズムと調和することで、人は心地よい睡眠が取れているはずなんです。
しかし、このストレス社会にどっぷりな現代の生活は、自分では意識していない間にもどんどんストレスが溜まっていき、気づけば毎晩快適に眠れていない、という事態になりやすいのではないでしょうか。
薬の服用や大幅な生活習慣の改善を余儀なくされる前に、今すぐに出来る簡単な見直しがあるはずです。
気付いた時からひとつずつ、何か行動を起こしてみませんか?
そうすることで少しずつ体は正常に戻っていってくれるかもしれません。
体の機能を信じて、自然に委ねて、快適な睡眠が訪れることを願っています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。