ー本記事は2023年3月9日に公開済みですー
ココナッツが苦手は方にはちょっと厳しい食べ物かもしれません…その名も『ココナッツのふりかけ』
でもね、日本人がこれを食べずに人生を終えるのはもったいないのではないかと、勝手に思ったのです。
スー(@bacteria_suzu)です。
本日もお越しいただきありがとうございます。
ココナッツが苦手な人も好きな人も、今のところ私が作ったポルサンボルを食べて「ちょっと無理…」といった人はいません、よね?ここで聞くな。
むしろ、ココナッツは苦手だけどこれは美味しい!くらいの勢いで好まれているんです、よね?
牛乳は嫌いだけどチーズは好き、みたいな感覚で、ココナッツミルクは苦手だけど実は自分が気づいてないだけでココナッツそのものは案外イケる口、なのかもしれませんよ。
とにかく、ごはんが主食の日本人の口に、このココナッツのふりかけが合うのにはそれなりの理由があるんです。
今回もそのあたりを省かず検証していきながら、最後に大雑把レシピを公開していきますよ〜。
ポル・サンボル(サンボーラ)って何?
ポル=ココナッツ
サンボル=混ぜたもの
簡単にいうとココナッツのふりかけです。
ココナッツのふりかけ?
はい、その名の通りふりかけて食べます、ご飯に。
本場ではパンなどにも合わせるみたいですが、基本的にはご飯にめちゃくちゃ合います。
味の決め手となるものが日本人の味覚にビンゴ!
かつおのふりかけはお好きですか?
鰹節をそのままご飯にかけて醤油とわさびなんかやっちゃったら、それはもう嫌いな日本人はいないのでは?と思ってしまうくらいドンピシャな味ですよね。
はい、それです。
かつおです。
鰹節です!
このポルサンボルの風味の決め手は鰹節なんです。
スリランカにもあるんですね〜。
まあ日本と同じ島国ですから魚が身近な食材なのは容易に想像できますが。
ただ、現地で使用される鰹節はその名も『モルディブ・フィッシュ』そう、スリランカで使用されている鰹節もほとんどがモルディブからの輸入ものだそうです。
さらに調べてみると、
モルディブ・フィッシュが作られていた古い記録は14世紀、日本の鰹節の最古の記録は16世紀。
そんなことから、もしかして鰹節の起源ってモルディブ?なんて囁かれることも…。
ただ両者には決定的な違いもあります。日本の鰹節にあるカビ付けという工程がモルディブ・フィッシュにはありません。堅さは、世界で一番堅いと言われている日本の枯節ほどではないですが、包丁が全く入らないほどには堅いです。
おもしろいですね〜。
私もモルディブ・フィッシュで作ったことがありますが、まー堅いです。ほぼ噛めません。包丁も効きません。
本場では、石などでできたスパイスグラインダーで叩いて潰して使います。ココナッツも唐辛子も全部叩いて作るみたいです。程よく水分が出て“ぬれふりかけ”になりますね。いつかやってみたいです。
私はたまたまスリランカ人の方と知り合うきっかけがありこのポルサンボルを知ったのですが、日本人がこれを知らずにいるのはもったいなすぎる!と思いました。
スパイスカレーもいいけど、この旨みとスパイスの絶妙なバランスをぜひ気軽に味わってみてほしいのです。
ココナッツ独特の風味がそんなに主張しない!?
さて、では、ココナッツはお好きですか?
「ココナッツミルクやココナッツオイルはちょっと・・・」
という人は結構いますよね。
なんとなくわかります。
独特の風味があり南国感が漂っていますから、普通に和な生活をしている期間が長い人には受け入れ難いものがあるかもしれません。
しかし不思議なことに、生のココナッツの実やそれを乾燥させてそのまま削ったものって、ちょっとクセが弱くなっていると思うのです。
一説には、ココナッツオイルを絞る過程で出た搾りかすがココナッツフレークだというものもありますが、そうじゃないとしても熱を通さずカラカラに乾燥させることによってクセが抜けているということはあるかもしれませんね。
このふりかけもココナッツを加熱せず使うので、よくあるココナッツミルクたっぷりのカレーやお菓子ほどの風味はしないのかもしれません。
「そうはいってもね〜、ココナッツの実そのままでしょ?ちょっと…ね〜」
な〜んて言いながらも、だいぶ気になってきた方は多いはず!
さらにもういっちょ揺らしていきましょ♪
辛い・旨い・爽やかのバランスがやみつきに
ココナッツだからこそ生きる、
辛味・旨味・酸味
ここがこのふりかけのすごいところかなと思います。
ココナッツのことはちょっと置いといて、このふりかけの美味しさの秘密を私なりに分析してみたら、
- 結構辛くしても美味しい
- 噛めば噛むほど美味しい
- 酸味があとを引いて美味しい
この三拍子がぐるぐるしているからではないかと思ったのです。
いや、そんな三拍子はどこにでもあるしわりと美味しさの基本やん、って思われると思うのですが、そこでココナッツなんです。
この三拍子を裸のココナッツがまとめているからこそ、唯一無二の美味しさを完成させているのではないでしょうか?
スリランカ旅行に行った方が、帰国して真っ先にこのポルサンボルを作った、なんていう話もあるところを見ると、これはちょっと侮れないふりかけだと思いませんか?
ポルサンボルの超簡単な作り方
ポルサンボルを知っている方も知らない方も、まだちょっと抵抗がある方も、とりあえずこんな作り方もあるよ〜ってのを知ってもらえたら嬉しいです。
南国の島国で食されているふりかけ、四季が豊かな島国日本でもきっと「美味しい」を感じられると思います。
材料を揃えるのだけがちょっと大変だとは思うのですが、このレシピはあえてモルディブ・フィッシュを使わないで作ります。
スリランカのマンマも言ってました。
「日本のカツオ節が一番!私はこれで作ってる。モルディブ・フィッシュじゃない方が作りやすいし美味しいよ〜」
ではいきましょう♪
ポルサンボルの材料
基本となる以下のものはぜひ揃えてほしいです。
- ココナッツシュレッド・・・30g
※生のシュレッドが手に入るならそれがベストです - 玉ねぎ・・・1/4個
- 鰹節・・・適量、ひとつかみくらい?
- にんにく・・・1かけ
- レッドチリパウダー・・・小さじ1〜1.5くらい
- ブラックソルト・・・小さじ1/2(様子を見ながら)
※他の塩でもいいですがポルサンボルにはブラックソルトが一押しです - ライムジュース・・・適量
※レモン汁やタマリンドペーストを溶かしたものでもOK
★ ココナッツファインは製菓用などでもいいと思います。ココナッツロング、ココナッツフレーク、ココナッツシュレッドなどいろんな形状があるのでお好みで。ただし、漂白剤などの添加物が使われているものが多いので要注意です。
★ 玉ねぎは赤玉ねぎだと色がきれいですね。なんでもいいです。コツはあえて辛みを抜かずにそのまま加えます。お子さんが食べる場合は水にさらした方がいいかも。
★ 鰹節はご家庭にあるものでいいですが、私はちょっとモルディブ感を出すために枯節の厚削りを使ってます。これを使う場合ミルサーで細かくしてライムジュースに浸しておきます。
★ 私はライムジュースがおすすめですが、レモン、お酢、すだちなど他の柑橘系でもOK。タマリンドならより本格的!
おそらく上記の材料だけで作ってもまあまあ美味しいとは思います。
ここからはちょっと本格的な味を味わいたい方へ。
といっても手軽に入手できるものもあるので、ぜひ取り入れてみてほしいです。
- 生姜・・・半かけ
- クミンパウダー・・・お好みで
- パプリカパウダー・・・お好みで
- ヒング・・・ひとつまみ
- 生カレーリーフ・・・ひと枝分
- 青唐辛子・・・2本
★ カレーなどの付け合わせにするならぜひスパイスを効かせてください!
★ 生のカレーリーフはとてもいい香りなのであればぜひ!
★ ココナッツのマイルドさの中に青唐辛子のパンチがたまりません!
スパイスに興味があって何回かスパイスカレーを作ったことのあるご家庭なら、そこそこ材料が整うのではないでしょうか。
ポルサンボルの作り方手順
では超簡単な作り方いきますよ〜。
玉ねぎや青唐辛子をみじん切りにして、
にんにく生姜をすりおろして・・・いざ、
① ライムジュース以外の材料を上から順に手で揉んで混ぜていき、最後にライムジュースを投入してよく混ぜながらお好みのしっとり感を出す
以上です。
はい、混ぜるだけ〜♪
コツ1:玉ねぎの水分でココナッツシュレッドがしっとりしてくるように、手で揉みながらよく混ぜる。
コツ2:途中で辛味や塩加減を必ずチェックしてください。思っているよりチリを多く入れた方が美味しい場合もあるので。
おまけ1:このレシピとは違うバージョンで、スパイスや枯節をオイルでテンパリングしてから最後にジャっと混ぜるやり方もあります。これも美味しいです。
おまけ2:それでもやっぱりココナッツの風味が気になる方は、鰹節だけじゃなく干しエビや粉末昆布などの旨み成分を加えてみたり、ライムなどを多めに入れてみて下さい。
もうお分かりですね。
このふりかけは材料の必要性をしっかり理解して揃えることができれば、もう9割完成なんです。圧勝です。
石や陶器のグラインダーをお持ちならそれで玉ねぎから全部を潰していくのもいいかもしれませんね。
日本のふりかけもいいけど、たまにはこんな異国風情のカツオ香るふりかけもいいもんですよ〜。
まとめ:ポルサンボルというふりかけは日本人の大和魂をくすぐるかもしれない
スリランカ料理の隠れた名脇役『ポルサンボル』は、暖かくなっていくこれからの時期にピッタリの南国フードですね。
ノンオイルでローフード、しかも天然の旨みがたっぷりのポルサンボルがあれば、ごはんが進み過ぎること間違いなし!ヘルシーなようで罪な飯供…。
日本にはないココナッツと日本に馴染みまくっているカツオ、この組み合わせでこんなに美味しいふりかけが誕生するなんてね、もう神の采配としか思えないですよね。
あなたの大和魂を再び震わせるために、ぜひいろんなアレンジを楽しみながら作ってみてください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。