もう4年前になるんですね、【塩レモン】が大ブームを起こして日本中の仕込みものフリークたちをとりこにしたのは。
仕込みもの大好きですが、なぜか【塩レモン】にはなびかなかった私、いまさら作っちゃいました、スーです。
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塩もレモンも好きなのに、なぜ当時は関心を持たなかったんだろう…。
それは【塩レモン】のことを何も分かっていなかったからです。
ただのレモン味の塩、おしゃれな調味料、くらいに思っていたのです。
レモン風味の味にしたかったらレモン汁使うし、塩もそれだけで十分美味しいのを使ってるし、わざわざ漬け込んでもね〜…。
生意気ー。
では、なんでいまさら作った?
何かを仕込みたくなったから!
そこにちょうど国産レモンと旨い塩があったから!それだけ。
ということで、【塩レモン】についてちょっと面白い小ネタも挟みつつまとめてみようと思います。
【塩レモン】ってどういうものなの?
【塩レモン】を仕込もうと思う人は、私のように動機という動機がない人以外、どんな動機があるのでしょう?
【塩レモン】というものを知っているから作るのか、知らないけど作ってみるのか。
2つに分かれるかもしれませんね。
なぜ流行語大賞にノミネートされるほど流行ったのか?
流行になり始めた2014年は、塩麹や甘酒の自宅発酵がブームとして定着していた頃でしょうか。
自家製豆乳ヨーグルトや自家製味噌、自家製乳酸菌、などの発酵ブームと自分でやっちゃうブーム、
それに追い討ちをかけたのが、インスタかな。
映えとかね。
レモン色はキレイだし、瓶に詰めた状態を写すとオシャレ感高まりますよね。
さらに、”美味しい”と”美容にいい”がダブルで手に入るというところも大きいかもしれません。
酸っぱいものは意外とウケるんですよね。”酸っぱい”と”旨い”が一緒になるとこれまた無敵感が増します。
たぶん本能的に、体が「クエン酸」を求めているのではないでしょうか。酸化して疲れ切った体の現代人が多いですから。
ブームという波が一度できてしまったら、あとは何を出しても売れる、しばらくはこれでいける、そんな法則を熟知していて、一大ブームの陰では「もう笑いが止まらない」とウハウハしていた仕掛け人でもいたのかもしれませんね。
【塩レモン】はどこからきたの?
【塩レモン】は北アフリカにある「モロッコ」からきました。
モロッコ周辺では【塩レモン】、もう当たり前すぎる調味料で、日本でいうところの味噌や醤油並みの一般的調味料だそうです。
そんな遠い国からわざわざ日本にきたのはなんで?
もう、そこここにビジネスの香りがプンプンとするんですけど、私だけでしょうか?
実際、それを感じてしまうと素直に乗っかることができないタチなので、いまさら作るという事態になったんでしょうね。
モロッコのタジン鍋も一時はやりましたよね〜。確かに素材の旨みを生かしたヘルシー調理ができたり、そのまま食卓に出せる可愛らしいフォルムだったり、人気者になる要素はあります。
でも、今、タジン鍋使ってる人どれくらいいるでしょうね。モロッコ自体でも家庭でタジン鍋を使用する人が減ってきているという噂です。
モロッコの【塩レモン】とは?
モロッコ料理自体はアフリカ地方の中でも、比較的日本人の口に合うらしく、
「モロッコ人は食べ物に対してとても保守的で、自分たちが食べている家庭料理が「世界一美味しい」と思っているんです。
宮廷料理のような文化がないため、モロッコ料理自体は手の込んだものというより、とてもシンプルで素材の味を生かした料理と言えます」
*モロッコ料理店料理人小川歩美さん談
こんな感じ↑↑↑だそうです。
モロッコでは料理酒がわり?
また、モロッコはイスラム教徒が多い国なので、お酒を料理に使うこともしません。
肉や魚の臭み消しとしてはスパイスもあまり使わないそうです。
その理由は、スパイスで風味を出してごまかすのではなく、隠し味はうまく隠してこそ本物の料理上手といわれる風潮があるからです。
なので、臭み消しにこの【塩レモン】がよく使われるそうです。
モロッコでは牛肉や鶏肉以外にも、羊、ヤギ、さらにラクダなんかも食べるそうで、やはり臭み消しは必需品なのでしょうね。
昔はそれぞれの家庭で漬けられていたそうですが、今では市場でも普通に売られていて、市販品を使う人も増えてきたそうです。
これがモロッコの【塩レモン】ならぬ【レモンコンフィ】
元祖であるモロッコの【塩レモン】は、日本で流行っている塩もレモンも混ぜこぜで調理に使うというものではなく、塩でつけた丸ごとレモンのレモンだけを調理に使うのだとか。
これを【レモンコンフィ】といいます。
そしてなんと、レモン以外のリキッド状のエキスなどは捨てちゃうんですって!
もったいない!
味付けとして使うわけじゃないから、使う発想がないんでしょうね。
そのかわりレモンやオレンジなどの柑橘系果実は豊富にとれるので、豪快に丸ごと漬け込み、塩も「ケチるのはタブー」と言わんばかりにたっぷりと使用します。
確かにこれを味付けに使うとなると相当塩辛いのかもしれませんね。
そんな【レモンコンフィ】を日本人が使いやすいようにアレンジしたのが【塩レモン】なんです。
塩もエキスももちろんレモンも全て、捨てることなく使える万能調味料【塩レモン】、これはなかなかよく考えられたものかもしれません。
【塩レモン】は発酵食品?
【塩レモン】というものが、モロッコ発のレモン漬けを日本風にアレンジしたものということはわかりました。
ではなぜレモンを塩に漬けたのか?
それは日本でもお馴染みの梅干しなんかと一緒ですよね。
「発酵するから」
です。
発酵レモンの効果とは
レモンそのままで使ってもおそらくある程度は臭い消しの効果があるでしょう。
しかし、豊富にレモンが手に入るモロッコで、なぜわざわざ1ヶ月以上という期間をかけてレモンを塩漬けにするのでしょうか?
そこには生で使うよりも多くのメリットがあったからだと思います。
塩で発酵させることで得られるメリットとは?
長期保存が可能
これは塩漬けの基本ですね。
塩の浸透圧により、細菌が利用しやすい自由水を結合水に変えることで水分を調整し、雑菌の繁殖を抑えることができます。これにより長期保存が可能になります。
レモンコンフィは5年以上保つとも言われています。
栄養素が増す
もともと持っている栄養素を逃さないばかりか、発酵という過程で菌が成分を分解し、新たな成分へと変えてくれるのです。
じっくりと時間をかけて発酵することによって、栄養価や旨み成分、香りを格段に高めてくれる効果があります。
消化にいい
発酵の過程で増殖する乳酸菌などの好塩菌が、悪玉菌の繁殖を抑えて腸内細菌のバランスを整えてくれます。
腸内環境が良くなれば食べ物の消化もスムーズになり、便秘も解消されるでしょう。
酸味がやわらぐ
梅干しもそうですが、生のままではとても常食できませんよね。梅は特に青梅のままでは毒性が高いので、塩漬けにすることでそれを無毒化することができます。
レモンは毒はないですが、皮ごと食べるのはちょっと厳しいですね。
しかし、ミトコンドリア代謝を活性化してくれる「クエン酸」はレモンの皮に多く含まれています。ぜひ皮ごと頂きたいですね。
皮ごと塩漬けにすることで酸味が和らぎ、発酵による旨味も増します。
塩レモンはぜひ皮ごと利用しましょう♪
これを知ったら作りたくなる!?
知らずになんとなく作ってきた人も、改めて「発酵食品」だと認識すればさらに作りたくなるかもしれませんね。
言わずもがな作ったことがない人も。
発酵食品はメリットが多いですからね。
そして育てて作っていく面白さもあります。ブクブクと泡立つような発酵ではないですが、おそらくこの【塩レモン】の発酵過程で、砂糖を少し追加するとブクブクなるのではないでしょうか。
そして、味もさらにまろやかになり、調理だけじゃなくアルコールと割ったり、お菓子作りにも使いやすくなりそうですね。
いろいろとアレンジを自分なりに楽しんでみるのもいいかもしれません。
まとめ
私は調べるまで【塩レモン】が発酵食品だということを知りませんでした。
発酵というとブクブク泡が出て、いかにも発酵しているという感じが出てなんぼだと思っていましたから。
梅干しや塩漬けの漬物と考えて【塩レモン】を見ていくと、かなりよく考えられたものなんだということがわかります。
モロッコの文化が日本でこんなに火がつくとは、モロッコ人もびっくりですね。
もう何が流行るかわからない国です、日本は。
レモン産業の陰に何か黒いものでもあるのでしょうか…。
でも流行の基本は「美味しい」と「健康にいい」が同時に堪能できることです。
【塩レモン】も美味しいからこそここまで流行ったのでしょうね。
では実際どんな味なのか、使ってみましょう!こちら↓↓↓をどうぞ〜♪
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